細菌とウイルスって違うのですよ…治療法も異なります…

感染症・発熱外来で診療していると、大きく2つの感染症に分かれます。細菌感染なのかウイルス感染なのかです。
細菌は自身が細胞を持ち自立して生きられるのに対し、ウイルスは細胞を持たず他の生物の細胞に寄生しなければ生きたり増殖できません。
細菌は、抗生物質が効くのですが、ウイルスには効果がありません。ウイルスに対しては抗ウイルス薬やワクチンが必要になります。
では細菌感染というと…黄色ブドウ球菌や大腸菌などによる食中毒や傷口の化膿などが代表例です。肺炎球菌による肺炎などもそうです。
一方ウイルス感染はインフルエンザやコロナ感染などが分かりやすいですね。
一般にわかりにくいのが、いわゆる風邪症候群(感冒)です。感冒は基本的にはウイルスが原因のことが多いです。つまり、風邪症状には抗生物質が効かないことになります。ただし、喉に細菌感染したり、副鼻腔に細菌感染したりしても、喉が痛かったり熱が出たり鼻汁が出たり咳が出たり…と感冒に近い症状が出てきます。この際は細菌感染による咽頭炎や副鼻腔炎として抗生物質が必要になるんです。
また、抗生物質をむやみやたらに服用すると、細菌に対して耐性といって抗生物質が効かない体になってしまうことがあります。
ですから、単なる感冒(風邪)の時に抗生物質を欲しがる患者さんが少なからずいますが、当クリニックではこの辺りを見極めてから処方するようにしています。
2025年04月05日 12:56