急性胃腸炎が流行っていますが…アニサキスにも注意が必要です…

年明け頃から連日のように嘔吐や下痢を伴う感染性胃腸炎の患者さんが多く受診されますが…似たような症状の方で、昨日獲れたてのサバから自分で作った「しめ鯖」を食べて2時間くらいして嘔吐と胃の痛みが始まり、その後下痢にもなった…という患者さんが感染症発熱外来を受診されました。胃の痛みが激烈ということから、アニサキスによる胃粘膜障害を疑い、即座に緊急内視鏡検査を行ったところ…案の定、アニサキスが胃の粘膜内に頭を突っ込んでおりました。すぐにアニサキスを摘出して無事に治療は終了し、その患者さんは痛みも軽減したと、今朝話しておりました。
アニサキスは、鮭、サバ、アジ、イカなどに寄生している線虫なのですが、これを冷凍ではない新鮮な生食をした場合に、胃や腸に侵入してしまうとアニサキス症として発症します。アニサキスは2cm前後の白い糸のような生き物なので、眼で目視できるので、魚をさばくときは速やかに内臓を捨て、肉の部分もしっかりと探すことによって除去できると言われています。でも、ついつい見逃してしまうと…今回のような激烈な痛みを伴う症状に見舞われてしまいます。この場合は、緊急の胃の内視鏡検査で摘出しない限り治りません。このアニサキスが腸までたどり着いて侵入してしまうと腸閉塞などをきたすこともあります。ですから海魚を生食する場合や酢や塩で〆ても生き残ってしまうため、しっかり冷凍(-20度で24時間以上)が望ましいと言われていますが…当地は新鮮な魚の宝庫ですから…
アニサキスアレルギーという病気もあります。アニサキスにふれた魚を食べただけでアレルギー反応を起こすこともあるので要注意です。
新鮮な美味しいお魚ですが…十分に気を付けて食べたいものです。
2025年03月29日 13:48