年齢は重ねます…加齢現象を受け入れられるか…
老年内科を標榜しています。少しずつですが、老年医療に関するお問い合わせや受診者が増えてきています。聞きなれない標榜名かとは思いますが、老年期に発生する様々な問題についての医療と考えてください。
医学の進歩は、遺伝子医療など目まぐるしいものがあります。私が医師になった当時は、まだ全身CTなどは一般病院にはなく、頭のCTが唯一あっただけ。それが今ではほとんどの病院ではMRIまで装備されています。医療機器の進歩もものすごいですよね。しかし、いかに医学が進歩しても、不老不死には全く至っていません。日本は世界トップの長寿国になりましたが、長寿にも限界があるのは致し方ないこと…。加齢による変化をいかに受け止めるのか、老化をいかに遅らせるようにして活き活きとした人生を送るのか…そのためには医学もさることながら日常の生活のあり方が大切と言われています。生きがいを持って日々を過ごす、動物としての性を大切にするために陽の光を浴びて運動する、物をしっかりと噛んでゆっくりと飲み込む、飲酒などはほどほどにして夜はしっかりと休むようにする、そして何よりも大切なことは他者との交流です。人との交わりは、脳の刺激にもなり、社会性の保持にもつながります。高齢者になると性格もギスギスしがちですし、自己主張が強くなる傾向もあります。夫婦も若いころは楽しく過ごしていたのに、いつの間にか会話のないぎすぎすした生活に陥ることもあります。ましてや認知症を患ってしまうと…。いつまでも仲良く、でもいつかは一人になることも想定しながら…趣味や生きがいを見出したいものですね。
2022年06月14日 08:06